精子の奇形 | 茨城県小美玉市の不妊治療・婦人科 小塙医院

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精子の奇形

 

Q:
不妊歴10年の妻40歳、夫42歳です。今まで人工授精20回、体外受精を7回実施しましたが、受精率が悪く一度だけ妊娠した時も流産でした。いつも夫の精子の奇形が多いといわれ、特に精子の首の部分がおかしいそうです。妊娠できない原因があるのですか。

A:
精子の構造はオタマジャクシのように頭部と頚部(首)、尾部から成り、それぞれ役割があります。精子頭部は中心から頚部に近い方を「精子後頭部」といい染色体が詰まっています。先端側は「精子前頭部」で、卵子に突入するための装置があります。頚部は精子が真っすぐ進むためのハンドルの役目、尾部は精子の運動力をつかさどります。

従って、精子前頭部に障害があると卵子に突入できないため顕微体外受精しか方法はなく、精子後頭部は染色体異常が生じます。精子頭部の障害とは前回ご紹介した「精子の穴」です。頚部の障害は車にハンドルがないのと同じなので精子が前進できず、尾部は自力で卵子までたどり着けないため自然妊娠や人工授精はできません。

さらに、精子頚部が異常に大きく隆起する奇形もあります。これは精子発生過程の異常で精子後頭部に集まるはずのミトコンドリアが頚部に留まったものです。頚部の異常は比較的よくみられ、染色体異常や児の奇形は必ず発生します。

奇形精子で妊娠した場合、ほとんどが流産に終わりますが、万が一分娩まで進んでしまうと不幸なことにもなりかねません。精子の形態検査は早めに、詳細に行ったほうがよいでしょう。

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