子宮内膜過形成の放置 | 茨城県小美玉市の不妊治療・婦人科 小塙医院

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子宮内膜過形成の放置

 

Q:
妻37歳、夫40歳です。以前、不妊検査の病理組織検査で「単純性子宮内膜過形成」と診断されましたが、不妊治療を休んで2年経過し、過形成の悪化と妊娠率低下が心配です。

A:
子宮内膜過形成は「単純性」「複雑性」「異形成」の三段階に分類されます。一般的に「単純性」が多く自然治癒することもありますが、「複雑性」になると難治性になり、「異形成」は子宮体がんに発展する可能性が高くなります。

原因は女性の性周期にあります。女性の性周期は28日型を基準に生理開始から排卵までの14日間が「卵胞成長期」(基礎体温低温期)といい女性ホルモンの分泌によって子宮内膜が厚みを増します。排卵後から次回生理までの14日間は「黄体期」(高温期)で黄体ホルモンが分泌され子宮内膜をさらに着床しやすい状態にします。

このホルモンバランスが崩れ低温期が長く高温期が短くなると、内膜の増殖が過度に起こり過形成になりやすくなります。この状態が毎月のように続いたり、ある種の遺伝体質の場合は複雑性になることもありますので、過形成と診断されたら少なくとも半年に1回の検査が必要です。複雑性や異型性では子宮体がん予備軍になりますし妊娠はほとんど望めません。

当院では過形成の未治療例に比べミレーナ(黄体ホルモン放出型の子宮内避妊リング)治療した場合に自然妊娠や人工授精、体外受精などどんな妊娠方法でも3~4倍妊娠しました。ミレーナほかホルモン剤やビタミン類の投与で経過観察や定期健診しながら治療する方法もあります。子宮体がんは子宮頸がんのように予防ワクチンがありません。過形成の放置は絶対にいけません。

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