卵子と精子の老化 | 茨城県小美玉市の不妊治療・婦人科 小塙医院

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卵子と精子の老化

 

Q:
不妊歴5年の妻42歳、夫45歳です。体外受精と顕微授精を計20回受けましたが、ほぼ未受精か胚の分裂・発達不良で、うち4回しか胚移植できませんでした。主治医は卵子と精子の老化だから仕方がないと言いますが、老化の治療法はないのでしょうか。

A:
晩婚化で子づくりを始める年齢も上がり、近年では不妊治療の初診時年齢の平均が36~40歳と高齢です。個人差はありますが卵子の老化は36歳ごろから始まり、20代~30代前半の時と同じように卵胞の成長や排卵時のホルモン状況が良くても年齢が上がるほど卵子の質は低下し受精率は低くなります。

なぜなら36歳を過ぎると卵子を守る透明体(鶏卵で言う白身。黄身に当たる部分は実質)が硬化して精子が進入しづらくなるからで、例え精子が進入できても結合力も弱まります。

精子も36歳ごろから運動能力や耐久力、生存期間が減少します。硬くなった透明体を突破するには相当なエネルギーが必要ですし、突破できても力尽きて死滅したり卵との結合ができないほか、不完全な受精を起こして流産や先天奇形の恐れもあります。

卵子に精子を直接注入する顕微授精なら精子のエネルギーを使わずとも受精できると思われがちですが、卵子の実質の老化や卵子か精子のどちらかに染色体異常がある場合は、通常、結合できません。

残念ながら精子の老化に対する治療は現時点ではありません。卵子の老化にはイソフラボンやプラセンタのサプリが効果を示したデータが増えていますが、医師の指導の下に処方を受けてください。

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