子宮内膜症と内膜異常は別もの | 茨城県小美玉市の不妊治療・婦人科 小塙医院

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子宮内膜症と内膜異常は別もの

 

Q:
不妊歴3年の妻32歳、夫34歳です。不妊専門医には通院したりしなかったりですが、いつも子宮内膜症があり排卵後の内膜が薄いと言われます。内膜症が原因で薄いのでしょうか。治療法はありますか。

A:
子宮内膜は子宮内を覆っている膜で、そこに受精卵が着床して胎嚢に育つと妊娠が成立し、妊娠しなかった場合は剥がれ落ち月経の血液として排出されます。

その内膜が子宮内腔以外の子宮筋層や卵管、卵巣、卵巣周囲の腹膜など他臓器に発生して増殖する病態を「子宮内膜症」といい、場合によっては腸や胃、肝臓、肺に発生することもあり、重症化するとその場所で月経を繰り返し周辺臓器を癒着させる場合もあります。従って子宮内膜が薄いなどの内膜異常とは全く異なるものです。

子宮内膜は月経ですべて剥がれ落ちると女性ホルモン(E2)の影響を受けて再び成長(増殖期)します。排卵後はE2と黄体ホルモン(P4)の助けを借り受精卵が着床しやすいようさらに厚さを増し、胎嚢に必要な栄養素を分泌します(分泌期)。

通常、内膜の厚さは排卵期が8~12mm、着床期(排卵から4~5日目)は13~20mmが正常範囲で、それより薄いと妊娠に適しません。子宮内膜組織検査で機能の異常や子宮内膜増殖症の有無が分かります。

内膜を厚くするには、ホルモン(E2・P4)値が低い人は内服などホルモンを補充すれば改善する場合もあり、内膜組織に異常がある場合は根本的な治療が必要です。治療の詳細は次回お話します。

なお、当院ホームページ内には過去の不妊学級で使用した資料(スライド)を閲覧できるページがございます。こちらに子宮内膜増殖症に関する資料もご用意してございますので、参考までにご一読頂ければ幸いです。詳しくは「不妊学級資料ダウンロード」のページをご覧ください。

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