人工授精
Q:
不妊歴2年の妻33歳、夫35歳です。検査はひと通り終了し妻は異常なし、夫は精子運動能力が少し低い以外は正常ですが、フーナーテストの結果がまちまちで人工授精を勧められました。どんな方法で、いつ行うのですか。
A:
人工授精は精子を直接子宮内に注入するため精子と卵子が出会う確率が上がり、極めて自然妊娠に近い形の治療法といえます。
精子の運動能力や数に問題があり性交後、精子が子宮内に十分量(運動精子数1万以上で良好)進入しない場合などが適応になりますが、子宮内に運動精子が1万進入しても卵管内に進めるのはその1~2割、さらに卵子に到達できるのは1精子のみ。
人工授精では原精液の良し悪しによりますが、約1000~1億の精子が進入し、卵子周辺に100精子ほど到達できる計算になります。
実施は排卵日当日です。排卵日は月経3日目のホルモン検査(採血)により推定できるので、男性はそれを目安に禁欲日数(3~5日が適当)など体調を整えてください。
また、精液中には有害な精子や子宮痛の原因になる子宮収縮物質などが含まれているため、必ずパーコール液で洗浄・濃縮し良好な精子だけを注入します。
ただし、6回ほど人工授精を実施しても受精しなければ受精障害が疑われますので精密検査か体外受精に進むことになります。受精の有無は人工授精後14日目の採血で分かります。
最後に、12月16日(日)に不妊症市民公開講座をつくば国際会議場で開催します。こちらの記事で当日のプログラム等の詳細をご紹介しています。ぜひお越しください。