黄体機能不全(子宮内膜が薄い)
Q:
不妊歴10年の妻38歳、夫42歳です。体外受精と顕微授精を4回ずつ受け2回妊娠しましたが両方流産でした。主治医によると胚移植後の子宮内膜がいつも薄く、着床が難しい上に流産しやすいそうです。治療法はありますか。
A:
黄体機能不全が疑われます。子宮内膜は卵胞の成長とともに厚くなり、排卵後に黄体ホルモンと女性ホルモンの働きでさらに柔らかく厚くなり着床しやすい環境が整います。
しかし、黄体機能不全は主に黄体ホルモンの分泌が少ないため内膜が厚くならず、基礎体温の高温期も12日未満と短いのが特徴です。
排卵後7~10日目の子宮内膜の厚さが15mm以上、女性ホルモン値150~250、黄体ホルモン値15~40で7~8割の着床率で、受精卵が良好なら9割以上です。この時期の内膜の厚さが10mm以上あって女性ホルモン値100以上、黄体ホルモン値10以上なら黄体機能は良好といえます。
内膜の厚さが8~10mmとちょっと薄い人でも黄体・女性ホルモンが正常値以上なら着床の可能性はありますが、流産率は高いです。内膜の厚さが7mm以下では着床は厳しいでしょう。
黄体機能不全の多くは黄体・女性ホルモンの分泌が少なくて内膜の着床準備が遅れているため、タイミング良く各ホルモンを補充すれば妊娠はそう遠くありません。ホルモン補充法は注射や内服、膣座薬、膣内クリーム、貼付剤などがあります。
それでも内膜が厚くならない場合は内膜のホルモン受容体の感受性が悪いことも考えられます。