卵子凍結
Q:
27歳女性で月経も排卵も順調です。将来、不妊症や卵巣がんなど婦人科系の病気になった時に備え、健康なうちに卵子を凍結できると知り希望しています。詳しく教えてください。
A:
卵子凍結は受精卵を胚に発達させてから凍結するのが一般的で安全な方法です。当院では8年間凍結保存した胚で健康な赤ちゃんが生まれています。しかし、受精していない卵子を凍結するのは非常に難しくリスクを伴います。
なぜなら卵子は染色体が含まれる卵実質(鶏卵の黄身部分)が透明体(白身部分)に守られており、無酸素状態で暗闇の体内から体外に取り出すと環境の良い培養液の中でも6~8時間で透明体の損傷が始まり、染色体異常を来す場合があります。受精すると卵実質と透明体が安定して強くなり、マイナス196度以下にも耐えられます。
がんの手術や抗がん剤、放射線治療を受ければ卵巣にもダメージが与えられ、卵子の欠乏・死滅の可能性もあるので卵子の凍結は有効でしょう。
しかし、受精していない卵子の凍結では解凍した際のリカバリー率が低いため受精した胚を凍結保存するのがベストです。また、採卵には排卵誘発剤による副作用や採卵手術では麻酔のリスク、出血の可能性もあります。
将来不妊になるかどうかは、ブライダルチェックという不妊検査を受けてみてはいかがでしょうか。
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2024年より小塙医院の分院であるつくばARTクリニックでは卵子凍結を開始しました。詳細はこちらをご覧ください。