痛みに配慮した人工授精・胚移植で妊娠率UP
Q:
不妊歴3年の、ともに35歳の夫婦です。以前エコーを利用した人工授精や胚移植の妊娠率が向上したとの記事を読み利用したいのですが、これまで受けた人工授精や胚移植は痛みがあり体がこわばってしまいます。これも妊娠に至らない理由なのでしょうか。
A:
子宮は弛緩したゆったりした状態で精子や胚(受精卵)を受け入れやすくなります。女性は性交時に交感神経(緊張・興奮時に活発になる)が高まり、エクスタシーに達すると今度はその反動で副交感神経(リラックス・睡眠時に活発)が急激に上昇し体が脱力してぐったりするのは精子を受け入れるためでしょう。子宮が緊張状態では精子を追い出そうとしてしまいます。
従って人工授精や胚移植の時には心身ともゆったりした状態で臨むのが理想ですが、実際は緊張しやすいものです。そのため当院では、点滴で副交換神経の働きをよくしてリラックスした状態で行います。これで精子や胚を針で子宮内に送る時の痛みもだいぶ抑えられます。
さらに受精針や胚移植針は子宮の傾き具合に応じて軟らかいチューブを使用し痛みに配慮します。
それでも痛みに不安がある場合は喘息の方を除き鎮痛座薬を使用します。そして、精子や胚が子宮の最適な場所に注入できたかどうか、患者さんと一緒に経膣エコーの画像で確認しながら行うことで精神的な満足も得られます。
当院ではこの方法を取り入れてから人工授精や胚移植の妊娠率が20%上昇しました。
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不妊治療Q&A 人工授精, 胚移植