40歳以上の不妊治療
Q:
不妊治療を始めて1年の妻41歳、夫45歳です。35歳を超えると下垂体 – 卵巣機能が低下し妊娠しにくくなると知りました。現在、決定的な不妊要因はありませんが体外受精を勧められています。この年齢では相当な回数を受けなければ成功しないのでしょうか。また、いつまで治療を続けるか悩んでいます。
A:
現在の統計では40歳以上の妊娠は80%以上が体外受精によるものです。一般的に40歳以上では卵巣中の卵子は激減し、下垂体機能の低下により卵子の成長障害や質の低下を招くことが多くなるため、当院でも体外受精をお勧めしています。
しかし、体外受精の際に採卵する卵子や胚の見た目は良好そうでも40歳以上では受精率・妊娠率ともに低く、複数回受けることは覚悟してください。
また、体外受精では高齢になるほど毎日通院して排卵誘発剤を注射するのが一般的ですが、卵巣への刺激が強く2~3カ月腫れが引かなくなることがあります。その間治療はできません。
40代といえば責任ある立場でお仕事をされている方も多いでしょうから少ない通院・期間で済むよう薬効の穏やかな自己注射や内服の誘発剤を使用します。刺激が強い誘発剤でも採卵できる卵子は1~2個ですし、もし体外受精に失敗しても卵巣への負担が軽いのでまた翌周期にトライできます。
医師が宣言する治療の諦めどきは、卵巣の無反応や血中の下垂体ホルモン値が更年期を示した時です。各クリニックの不妊カウンセラーやNPO法人ファインの会などに相談するとよいでしょう。