39歳からの不妊治療
Q:
結婚10年の妻39歳、夫42歳です。妻はバリバリの仕事人間で、夫も単身赴任で子づくりできる環境ではありませんでした。最近、夫婦とも時間に余裕ができたので治療を始めたいのですが、この年齢からではどのような方法で検査や治療を行いますか。
A:
現在の統計では、40歳以上の妊娠は80%が体外受精によるものです。残り20%は自然妊娠や人工授精ですが、自然妊娠の多くは出産経験があったり、単身赴任などで性交できなくとも愛情を維持している夫婦です。
週1~2回性交があって妊娠しない場合は不妊原因があると考えます。人工授精でも精子に問題がなく排卵日ぴったりに実施しているのに4回以内で妊娠しない場合も異常を考えます。
39歳以上で最低必要な検査は
- ホルモン負荷テスト(視床下部-下垂体-卵巣のホルモン動態、プロラクチン変動の確認)
- 卵巣年齢(AMH)検査
- 精密な抗精子抗体検査
- 精子形態検査(精子の受精能力確認)で、夫婦の妊娠力を調べます。
1. と 2. に異常があればいかなる治療も難しく、 3. の抗精子抗体が陽性の場合、漢方やサプリメントなどで治癒することもありますが、時間がかかるため体外受精に進む方が懸命です。4. は重症度によって顕微授精が必要ですが、染色体異常を来す危険もあります。
以上の検査に問題なく体外受精以外で妊娠希望なら子宮卵管造影検査や子宮鏡、子宮内膜組織検査も行います。そして39歳以上は卵子の質が低下し寿命も短くなるため、排卵日は時間まで正確に予測することが大切です。