甲状腺機能障害と不妊 | 茨城県小美玉市の不妊治療・婦人科 小塙医院

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甲状腺機能障害と不妊

 

Q:
結婚2年の30歳夫婦です。結婚前から子づくりに励んでいますが一度も妊娠に至らず、不妊専門医に通院を始めました。初診時の検査の中に「甲状腺機能検査」がありましたが、不妊とどう関係があるのでしょうか。

A:
甲状腺は喉元中央に位置する組織で、成長や代謝にかかわるホルモンを分泌し全身の臓器を調整する働きがあります。検査は血液検査で、血中の「TSH(甲状腺刺激ホルモン)」「FT3(遊離トリヨードサイロニン)」「FT4(遊離サイロキシン)」と呼ばれる3つのホルモン値から甲状腺機能の異常が分かります。

甲状腺機能の異常には、機能が異常に強くなる「甲状腺機能亢進症(バセドウ病)」や、逆に機能が下がる「甲状腺機能低下症」などがあり、不妊治療を希望する方は内科での甲状腺治療が最優先です。

最近の不妊検査ではTSHだけが低下する「潜在性甲状腺機能障害」が増えています(不妊患者全体の約15%)。TSHは脳下垂体と密に連携しているため卵胞刺激ホルモンや排卵・黄体化ホルモンの低下をもたらし、卵子発達障害や排卵障害を来すほか不育症や習慣性流産を招くこともあります。治療法は経過観察が中心で、排卵障害や不育症に対する対処療法を進めたり代謝を活性するサプリメントを使用します。

甲状腺に問題があるとヨードに過敏になりやすいため、ヨード造影剤を使用する「子宮卵管造影検査」は特に注意が必要です。まれですがアナフィラキシーショックを起こすことがあります。

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