年齢と妊娠力
Q:
妻41歳です。結婚が39歳と遅いので妊娠率が低いのは知っていたものの、やはり子どもが欲しくて専門医に行きました。でも、卵巣年齢の指標になるホルモン(AMH)が低く、更年期に上昇するホルモン(FSH)が高いため妊娠は無理と言われ、別の病院では年齢制限があり治療が受けられませんでした。私には一握りの可能性もないでしょうか。少しでもチャンスがあれば治療に挑戦したいです。
A:
自然妊娠率は34歳までが33%、35歳から徐々に低下し40歳で3%以下になります。40歳以上では逆に流産率が60%にも上昇し、年齢を問わずその原因の90%は染色体異常といわれています。
染色体異常は卵子の老化により発生するため、年齢とともに卵子の染色体異常は増えていきます。染色体異常は正常な卵子でも受精から着床の過程の中で起こり、若い人なら異常な受精が起こっても自然治癒力で正常に戻りやすいのですが、高齢になるとそのまま異常妊娠になる確率が高くなります。
そのため経産婦を除き40歳を過ぎての自然妊娠は非常にまれで、41歳では厳しいでしょう。しかし、ホルモン動態は毎周期微妙に変化するため1回の検査で卵巣が機能していないとは言えません。
時には良い周期もあるので毎周期検査してホルモン状況に合った治療を選び、効果がない時はリセットして次の周期に備えるという繰り返しで進めていきます。更年期のホルモンが上昇していても女性ホルモンが正常に維持できれば可能性はありますが、医師の判断力も必要になります。