自然妊娠を目指すなら4
Q:
結婚4年の32歳夫婦です。夫婦共に仕事が忙しく、早くから子どもを望んでいましたが一度も妊娠しません。最近、不妊専門医を初めて受診したところ両側の卵巣が多嚢胞性卵巣傾向で、排卵が不規則だったり無排卵のため真の排卵日が予測できないといわれました。治療や対策はありますか。
A:
多嚢胞性卵巣(PCO)は卵胞の発育に時間がかかり、なかなか排卵できない疾患です。PCOの人は男性ホルモン値が高く多毛や肥満、副腎機能の異常などを伴うことがあり、重度になると無排卵・無月経状態になります。
重度のPCOはまれですが「PCO傾向」の人は増加しています。原因は不明ですが、食生活の乱れ(糖質の取り過ぎ)や酸化ストレスが影響しているといわれています。
現代は昔に比べ糖質を含む食事が多く、夫婦共働きだとパスタやどんぶりで済ませるなど炭水化物(=糖質)中心の食生活に陥りがちです。こうした食生活の乱れが将来の糖尿病予備群となり、卵巣機能の低下を招くといわれています。
単に炭水化物を抜くということでなくバランスの良い食事や適度な運動を心掛け、副交感神経が優位に働く午後9時~午前6時の間は休息を取りストレスを溜めないようにしましょう。
生活習慣の改善を第一に、薬物療法としては女性ホルモン薬や軽度糖尿病治療薬を根気強く服用し自然排卵を目指す方法があります。排卵誘発剤は、全く効果がなかったり逆に薬が効きすぎて卵巣が腫れることがありますので、慎重に使わなければなりません。