人工授精1
Q:
結婚3年の妻34歳、夫40歳で、タイミング指導を受けて半年です。フーナーテスト(性交後子宮内精子上昇テスト)は良好な時と不良な時と結果はまちまちで、夫の精液検査は正常値ギリギリです。そのため人工授精を勧められましたが、人工授精と体外受精は違うのでしょうか。
A:
人工授精と体外受精は全く別物です。体外受精は卵巣から卵子を体外に取り出し受精させる方法です。人工授精は、洗浄・濃縮した精子を排卵日に合わせて子宮内に注入し精子と卵子の巡り合わせをサポートしますが、精子注入後は自然任せです。
ただし、重度の精子減少症や精子無力症は精子の寿命が短く、ほとんどが子宮内で死滅するため人工授精不適応です。また、妻が精子結合抗体を有する場合、不適応ではありませんが妊娠率は低いです。
人工授精の妊娠率は体外受精の3分の1程度で、4~6回以上は回数を重ねるたびに妊娠率は低下し、6回以上繰り返すと精子結合抗体が発生する恐れがあります。
治療の流れは月経3日目のホルモン採血(E2・LH・FSH)で排卵日を推定し、予測排卵日の2~3日前にエコーで卵胞の成長具合を観察するなどして正確な排卵日を特定します。精子は人工授精当日の朝、自宅で採取するか病院で採精することも可能です。
排卵が不規則な方は排卵誘発剤や女性ホルモン剤を使用することがあります。体外受精希望でも卵管閉塞がない場合は1~2回試してみる価値はあるでしょう。
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不妊治療Q&A 人工授精