人工授精2
Q:
結婚4年の妻36歳、夫41歳です。結婚前から子づくりを始めて6年恵まれず、最近、不妊専門医を受診しました。抗精子抗体や夫の精子は正常でしたが、フーナーテスト(性交後子宮内精子上昇テスト)はいつも不良のため人工授精か体外受精を勧められました。人工授精の回数に限度はありますか。治療の流れも教えてください。
A:
従来の不妊治療ではタイミング指導6カ月、人工授精6回を経て体外受精・顕微授精に進みます。しかし、女性は35歳を過ぎるとすべての治療法で格段に妊娠率が下がるため、この限りではありません。35歳以上では卵子の老化が進むほか、排卵も起こりにくくなってきます。
従って36歳の場合、最初から体外受精を勧めることも増えていますが、治療はあくまでも本人の希望が最優先です。
36歳で人工授精から始める場合は卵子の寿命が半減(通常36時間)しているため、より正確な排卵日を予測する必要があります。排卵日は月経3日目のホルモン測定(E2・P4・FSH・LH・PRL)でホルモンバランスが良好であることを前提に、E2(女性ホルモン)の値から推定できます。
E2値が高すぎたり低すぎる場合は遅延排卵や無排卵になるため排卵日が予測できません。場合によっては排卵誘発剤や女性ホルモン剤を使用します。推定排卵日の2~3日前になったら卵胞を計測して排卵日を確定し、人工授精を実施します。その1~2日後に排卵したかどうかを確認して治療はいったん終了です。
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