体外受精3(採卵)
Q:
結婚7年、不妊歴4年の妻38歳、夫41歳です。卵子の発育が悪かったり基礎体温の高温期が短いなど細かな問題はあるものの決定的な原因はありません。検査やタイミング法、人工授精では結果が出ず体外受精に進む予定ですが、採卵には10日間ほど毎日排卵誘発の注射が必要と聞きました。排卵誘発は内服薬ではダメですか。
A:
体外受精や顕微授精では質の良い卵子をより多く採取することが成功へのカギになります。そのため排卵誘発の注射を連日投与するのが一般的で、通院回数が多い上にホルモン検査もたびたび行うため費用もかさみます。
しかし、複数の良質な受精卵が確保でれば凍結保存ができ、その分採卵手術の回数が減るのでトータルの費用が抑えられます。
一方で、現在は患者さんの希望や今までの排卵経過によって体への負担や通院が少ない自然法や漢方、サプリ、内服薬、注射と内服薬の併用など排卵誘発法は多様化しています。しかし、自然に近い方法ほど採卵数が少ないため体外受精不成功のたび採卵手術が必要になります。
また、自然排卵してしまうと体外受精そのものがキャンセルになるなどメリット・デメリットがあります。さらに、年齢が上がるに連れ採卵数は減っていきます。
そのため、40歳以上やPCO(多嚢胞性卵巣)の方を除いては注射療法が有利と思われます。最近は排卵誘発の自己注射もあり、通院回数が減らせます。皮下注射で痛みもなく簡単にできますが、高価なのが難点です。
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