体外受精4

Ｑ：
不妊歴４年の33歳夫婦です。タイミング法と人工授精はやり尽くし、体外受精も１度受けましたが妊娠に至りません。体外受精がうまくいかない理由は何ですか。詳しく教えてください。

Ａ：
体外受精は自然妊娠の過程に比べ、すべて不利な条件で受精・着床・妊娠を迎えることになります。例えば、自然なら二酸化炭素と窒素しかない真っ暗闇の中にある卵子を、体外受精では体の外に取り出しますから卵子は酸素や光に触れダメージを受けてしまいます。

また、精子は通常、子宮口から子宮・卵管を泳ぎ、卵子付近にたどり着くまでの長い道のりの中で受精能力を獲得します。射精されたばかりの精子に受精能力はなく、体外受精では採取した精子を洗浄するなど人工的に刺激を与えて受精能力を獲得させるため自然より受精能力も弱くなります。従って自然に勝るものはなく、体外受精で成功するにはよほど強い卵子と精子が必要になります。

さらに、体外受精は採卵手術・受精・胚（受精卵）培養・子宮内胚移植・黄体期管理・妊娠判定・流産防止・成長観察と、出産まで複雑な段階があり、うまくいかない場合はその過程のどこかに不具合が生じています。

例えば採卵手術で卵子が全く採取できなかったり、異常受精、突発的染色体異常による胚の成長停止、着床しない、化学流産、稽留流産など多岐にわたります。それをすべてクリアして出産して初めて金メダル（成功）といえるでしょう。

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