不妊原因の7割は卵子要因
Q:
結婚5年、不妊歴3年の妻37歳、夫39歳です。タイミング指導から人工授精10回、体外受精2回、顕微授精7回実施し、うち2回は初期流産で1度も出産に至りません。主治医に言われるまま治療を進めてきましたが不妊原因は特定できず、なぜここまで治療が必要なのか分かりません。不妊原因で多いのはどういうものですか。
A:
約40年前に体外受精が始まった当初は、主に「両側卵管閉塞」や「精子減少・無力症」などが体外受精の適応でした。原因が明確なため成功率も高かったのですが、検査や治療の進歩が目覚ましい現在は細かな原因まで分かるようになり、さらにその原因が1つでなく複雑に絡み合う場合は成果も出にくいです。
現在の不妊原因は70%が卵子要因、残りの30%は精子・抗精子結合抗体・着床障害、免疫機能、卵子ピックアップ障害などです。卵管閉塞は生殖器の感染症が少なくなったせいか昔に比べかなり減りました。卵子要因の最たるものは卵子の老化です。
卵子は胎児期に完成され、生まれた瞬間から減少と老化が始まります。35歳を過ぎるとそれが急激に進むため、そのころから子づくりを始めても妊娠しにくいのは当然です。
不妊治療は、必ず赤ちゃんを授かるという確証はないものです。35歳を過ぎたらあらゆる方法を取り入れるべきと思いますが、同時に治療はいつ・どこまでと限界を決めておくことも大切です。
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