酸化ストレスと不妊
不妊 酸化ストレス
Q:
不妊歴3年の妻36歳です。卵巣機能障害により体外受精を数回受けて1回は妊娠に至るも早期流産に終わり、その後は妊娠しません。最近、不妊検査の一つ「抗酸化力・酸化ストレステスト」を受けたところ、抗酸化力は正常なのに酸化ストレスが異常に増大していました。不妊とどう関わりがあるのでしょうか。
A:
酸素は体内に入ると活性酸素になり血液から体中に運ばれますが、必要以上に活性酸素が増えると、水道管がさびるように体も酸化して不都合な病気が起こりやすくなります。この活性酸素を除去する機能が抗酸化力です。
抗酸化力の低下は老化や生活習慣の乱れによって起こるほか、精神的なストレスでも起こります。元来、不妊症の患者さんは25~45歳と体の老化は進んでいません(卵巣年齢は別で、35歳から急激に老化)。従って抗酸化力は正常なのに酸化ストレスが高いのが不妊症の特徴です。
酸化ストレスが高いと免疫力が低下し体内に抗体がつくられやすくなったり、アレルギー反応が強くなります。不妊に関する抗体には、抗核抗体や抗カルジオリピン抗体があり、卵子の発育を阻害したり妊娠初期には胎のうの血流障害を起こして流産を招くことがあります。また、自律神経のバランスを崩して肉体・精神的疲労が蓄積し、やがて抗酸化力も低下して婦人科疾患にかかりやすくもなります。
酸化ストレスを低下させて免疫力を上げるには、「コエンザイムQ10」などのサプリや各種漢方薬を併用し、さらにカウンセリングで悩みを吐き出すと良いでしょう。