新型コロナウイルス(COVID-19)感染メカニズムと生殖について | 茨城県小美玉市の不妊治療・婦人科 小塙医院

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新型コロナウイルス(COVID-19)感染メカニズムと生殖について

 

新型コロナウイルス(COVID-19)の感染メカニズムについて説明いたします。
COVID-19は細胞のもつアンジオテンシン変換酵素2(ACE2)受容体に結合し、細胞表面のセリンプロテアーゼTMPRSS2で活性化されることで細胞への感染が成立します。

コロナウイルス感染メカニズム

このACE2受容体が、生殖機能に関わる臓器に発現しているのか調べた文献が多数報告されております。
ACE2受容体はヒトの卵巣で発現することが判明しています。
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0015028210010137
また、ACE2受容体はヒトの精巣にも存在することが判明しております。
https://www.mdpi.com/2073-4409/9/4/920
また、子宮内膜にも月経周期全体通してACE2は存在します。
https://journals.sagepub.com/doi/abs/10.1177/1933719108327593

また、最近では中国でCOVID-19に感染した男性50人の精液を検査し、6人の精液からCOVID-19が検出されました。症状出現より最短で6日、最長で16日経過した段階での検査で陽性となりました。
https://jamanetwork.com/journals/jamanetworkopen/fullarticle/2765654

これらのことから考えられることは、COVID-19に感染した場合は卵子や精子、子宮内膜に影響を及ぼす可能性があります。また、子宮内膜にACE2受容体が存在し、精液にCOVID-19が検出された報告はありますが、腟分泌液では検出された報告はなく、性交渉で感染をするかどうかは明確ではありません。

また、ACE2は胎盤にも存在することが報告されています。しかし、妊娠初期での胎盤でのACE2の発現率は低いですが、妊娠週数が経過し妊娠後期になるにつれてACE2発現、TMPRSS2活性は増加することが示唆されております。しかし、これだけでは妊娠中に胎児へCOVID-19が感染する(垂直感染)ことは証明はできず、今後の研究が必要とされています。

https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0230295

COVID-19と不妊治療、妊娠の関係についてはIVF web Liveセミナーでも説明しております。内容は随時更新しますので興味のある患者様は視聴希望を外来にてお伝えください。https://www.ivf-ibaraki.or.jp/20200425/3486.html

2020/5/15
小塙医院/つくばARTクリニック
理事 小塙理人

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