生理がしばらく来ないことがあります。または生理が不順です。原因や治療法はありますか? | 茨城県小美玉市の不妊治療・婦人科 小塙医院

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生理がしばらく来ないことがあります。または生理が不順です。原因や治療法はありますか?

 

A:生理(月経)がこないことを無月経といいます。正確には、正常の月経周期を25-38日として39日以上月経がこないことを希発月経、3か月以上こないことを無月経といいます。無月経はじめから月経がきたことのない原発性と、今まできていたのに月経が停止する続発性に分けられます。現在は14歳までに98%に初経がみられます。原発性に関しては14歳から18歳で初経がない場合や、または体の変化も認めない場合には疑う必要があります。

今回は続発性について詳しく説明します。続発性はホルモンの異常が原因ですが、どの段階で異常が起きているかで分類されます。脳にある視床下部の異常の原因は視床下部性無月経です。月経はエネルギーが消費されるといいます。過激なダイエットによる体重減少ではエネルギー消費を抑えようと視床下部が判断し無月経になります。治療法は体重を戻すことがまず重要です。それでも難しい場合はホルモン療法を行います。

他には心因性のストレスや薬剤による影響も原因となります。またプロラクチン(PRL)という母乳が出るホルモンがありますが、これが高い高プロラクチン血症では無月経になります。授乳中は月経が来ない原因がこれです。そして甲状腺の機能低下症も視床下部に作用し無月経になります。これらに関しては内服薬で無月経状態を改善することができます。

下垂体に腫瘍がある場合や、以前分娩時に大量出血により下垂体の壊死など起こし機能が低下するSheehan症候群が原因となります。これらに関しては手術やホルモン補充療法が必要となります。

卵巣性では卵巣に卵胞が出現しない早発卵巣不全や抗がん剤治療により卵胞が減少する場合は無月経となります。ホルモンを補充することで月経は起こりますが、卵巣機能の完全な改善は難しいとされております。

子宮内宮が癒着する場合や内膜が過度な炎症を起こし機能を失うと無月経になります。治療法は手術で癒着を改善させる必要があります。

また多くの不妊女性が悩むPCOS(多嚢胞性卵巣症候群)も無月経の原因となります。以前は卵巣性と考えられていましたが、現在ではPCOSは様々なホルモンの異常であり、明確な分類はできなくなっております。具体的には視床下部-下垂体-卵巣系の異常に加えて,副腎系および糖代謝異常が複雑に関与した病態です。排卵障害となり不妊の原因になります。治療法は、妊娠希望ない場合はホルモン補充やピル内服で経過をみます。妊娠希望がある場合は排卵誘発剤を用いて排卵を促します。PCOSに関しては当院では様々な治療法を提案し、特に妊娠希望の患者様には、それぞれのPCOSの重症度や通院スタイルに合わせて、タイミング法~体外受精までベストな治療法をご提案しています。無月経、希発月経でお困りの方はぜひ一度外来でご相談ください。

また、月経不順の方は出血量や期間が様々なことが多いと考えられます。それらのメカニズムについてはこちらを参照ください。

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