パソコンの使い過ぎが精子に悪いって本当ですか? | 茨城県小美玉市の不妊治療・婦人科 小塙医院

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パソコンの使い過ぎが精子に悪いって本当ですか?

 

男性不妊は様々なライフスタイルにより造精機能が障害を受けることで引き起こされると考えられています。

精巣機能は温度に依存し、体温より2〜4度低い温度(約33度)が良い環境とされています。したがって精巣の温度が上昇する環境下では造精機能は障害を受けることがあります。

現代は仕事にはパソコンが欠かせない時代となりました。特に最近ではテレワークが多くなりノートPCの需要が高まっている傾向にあります。

パソコンは稼働するために積極的に熱を発生するため、動作中の温度が非常に高い可能性があります。ノートPCを膝において操作する場合は、直接陰嚢が熱に暴露されるために陰嚢および精巣温度が上昇する可能性があります。

このようなパソコンの使用と精子への影響を調べた文献があります。

https://academic.oup.com/humrep/article/20/2/452/603276

21〜35歳(中央値24歳)の29人の健康な男性を対象として膝の上でノートPCを使用した場合の陰嚢の温度の変化を観察しました。結果としては陰嚢の温度はPC使用時間とともに上昇し、PC未使用の群と比較して有意に高い結果となりました。

また使用時間とともに温度は上昇し、1時間で左右陰嚢とも約36度まで上昇しました。

 

適切な精巣温度の維持は、正常な精子形成に不可欠です。

精子濃度は、日中の陰嚢体温の中央値が1度増加するごとに40%減少したという報告があります。

https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0890623802000254?via%3Dihub

基礎体温1℃以上高い陰嚢の温度上昇は、精子形成を阻害することができる可能という報告もあります。

https://www.fertstert.org/article/S0015-0282(97)81525-7/pdf

また、座位を保持している状態でも陰嚢温度は上昇することが報告されています。

https://www.ajog.org/article/0002-9378(65)90080-3/pdf

これらのことから、膝にノートPCを置いて長時間作業することは、陰嚢および精巣の温度上昇を引き起こし、造精機能を障害し男性不妊に至る可能性が示唆されます。

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