卵管造影で分かる不妊原因
Q:
不妊歴1年の妻32歳、夫33歳です。卵管造影検査を勧められましたが、とても痛いと聞き不安です。この検査で何が分かるのですか。
A:
子宮卵管造影検査は卵管の通りを調べる検査で、子宮口から造影剤を流し入れてレントゲン撮影し、造影剤が卵管から腹腔内に拡散する様子を観察します。造影剤にはヨード製剤を使用するため、甲状腺機能障害の人は副作用の恐れがあり注意が必要です。
方法は子宮口から小さな風船状のチューブを挿入し、生食水で風船を膨らませて固定した後、造影剤を流しますが、痛みは風船を膨らます時に起こる場合が多いです。それは、子宮の大きさが人それぞれ違うため風船を膨らませる加減の問題でしょう。
事前に子宮の大きさを把握していれば苦痛は軽減できますから医師の気遣いが問われる作業かもしれません。造影剤を流した後に痛む時は、卵管の狭細化や癒着、閉塞が疑われます。
最も重要なのは造影剤の広がり方です。造影剤の流出方向と卵巣の位置が離れていれば卵管内に卵子が取り込めないピックアップ障害が疑われ、卵管水腫が見つかればその毒素によって着床障害や早期流産の原因になるため摘出手術も視野に入れます。
卵管は卵子と精子が出会う場所であると同時に受精卵(胚)を発達させる培養器など大事な役目をたくさん持つ器官です。卵管の通過障害は不妊原因になるため卵管造影は大切な検査の一つです。また、造影剤を流すことで卵管の掃除になって通りが良くなり、実施後数カ月は妊娠しやすい傾向にあります。