体外受精の排卵誘発(1)
Q:
不妊歴2年の33歳夫婦です。夫が精子減少症で人工授精を6回実施しましたが妊娠せず、体外受精を考えています。体外受精では排卵誘発のため連日注射が必要と聞きましたが、共働きのため毎日の通院が困難です。ほかの方法はありますか。
A:
質の良い受精卵をつくるため多くの卵子が必要になる体外受精では、排卵誘発に連日注射を行うのが一般的です。ホルモン状況や体質に応じて方法はいくつかあり、比較的通院が少ないのがロング法とショート法です。
どちらも卵の成長や排卵に作用する下垂体ホルモン(FSH・LH)の分泌を点鼻薬で抑制して自然排卵を止め、排卵誘発の注射のみで人為的に複数の卵胞を育てます。
ロング法は月経不順の人が対象で、体外受精実施の前周期の排卵後から点鼻薬を開始し、月経3日目から注射をスタートします。
月経が正常ならショート法が適用で、月経3日目に点鼻薬と注射を同時に始めます。
いずれも注射は8~10日間続け、その間2~3回卵胞観察します。注射は月経2~3日目のホルモン状況により「FSH製剤」か「FSH・LH合剤」を選択しますが、「FSH製剤」なら自己注射できるので通院の回数が減らせます。
「FSH・LH合剤」は自己注射できませんが、自宅近くで代わりに注射してくれる医院があれば必要分をお渡しすることもできます。そして、卵子が十分に成熟した日の夜に排卵を起こすHCG注射を病院で行い、33~35時間後に採卵手術となります。
-
不妊治療Q&A 体外受精, 排卵誘発