受精障害2(加齢と卵巣機能)
Q:
不妊歴6年の妻41歳、夫45歳で、顕微授精と体外受精を計6回受けました。妻の不妊検査は問題なく、夫は精子減少・無力症に近い状態ですが、良好な精子が採取できる時もあります。しかし、体外受精では未受精や発達不良で胚移植できないことが3回あり、胚盤胞まで到達した時も妊娠に至りませんでした。年齢的に時間切れも近く、今後どうしたらよいか不安です。
A:
加齢による卵巣機能の低下で受精に適した良好な卵子が採取できにくくなっているのでしょう。子宮内膜の着床環境は一部(子宮内膜増殖症や腺筋症)を除き、50代半ばまでは加齢による衰えはほぼありませんが、卵巣は一般的に34歳を境に急激に衰え、妊娠に有効な卵子の数も減少していきます。
卵巣機能低下のスピードは見た目の若さや生活習慣は関係なく、ストレスの多い人より前向きに毎日を楽しんでいる人の方が卵巣は若い傾向にあります。それは、卵胞の成長と排卵を促すホルモン(FSH・LH)が脳下垂体から分泌するためストレスの影響を受けやすいのです。
さらに、40歳を過ぎると良好な排卵は年3~4回まで減ります。良好な排卵は予測が難しいので、体への負担を考え内服薬を中心とした低刺激の排卵誘発で毎月採卵するのがベストです。形成される卵が一つだけの時もありますが、その方が無麻酔で採卵でき、痛みも注射程度で体への負担も少なくて済みます。
どの月にチャンスが来るか分からないため、気持ちを楽に身構えないことが大切です。
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