自律神経のバランスと不妊
Q:
不妊歴2年の妻34歳、夫37歳です。夫の帰宅が深夜のため夜型生活で、タイミング法と人工授精を交互に受けていますが妻の排卵が乱れがちで排卵日の予測が難しく、生活習慣を改めるよう指導されています。生活習慣とホルモンの関係を教えてください。
A:
良好な卵を育て排卵させる機能は脳下垂体と卵巣の連携によって成立し、そこには自律神経の働きが大きく関わっています。ご質問の方は夜更かしから「自律神経」のバランスが崩れ、卵胞成長や排卵に影響しているのでしょう。
自律神経は心臓を動かしたり汗をかくなど意識的にコントロールできない自動的に働く神経です。さらに自律神経は「交感神経」と「副交感神経」に分類され、この二つがバランス良く働くことで私たちは健康に過ごせます。
通常、仕事をしている時など日中は交感神経の働きで心身が緊張して活動的になり、夜寝る時になると交感神経が鎮まり副交感神経が活発になって心身がリラックスし、眠りにつくことができます。
そして朝は交感神経の働きが優位になって目覚めるのが睡眠リズムの基本です。忙しい現代人は夜型生活やストレスなどで交感神経が優位な状況が多く、自律神経のバランスが乱れるとホルモンバランスも乱れ、卵胞の成長を止めたり排卵障害を引き起こす「高プロラクチン血症」などの原因にもなります。
妊活中の理想は午前0時までに寝て朝6時に目覚めることですが、現代人には難しいので気持ちが高ぶっている時はお湯にゆっくり浸かるなど、リラックスすることを心掛けましょう。