不妊原因の8割は男性不妊
Q:
結婚5年の妻34歳、夫38歳です。タイミング法と人工授精を1年ずつ受けましたが妊娠に至らず体外受精を勧められています。原因は不明で夫の精子は正常ギリギリ、妻は異常ありません。現在、不妊原因は男性・女性どちらが多いのですか。男性なら詳しい検査を教えてください。
A:
過去5年間に当院を受診した不妊カップルの約8割が男性側に原因があり、その多くは受精障害でした。
受精障害とは
- 卵子の透明体を通過できない
- 卵子進入後死滅する
- 異常受精
- 精子の受精能力獲得障害(通常は射精後、何かしらの刺激を受けて獲得できる)
などがあり、ほかに射精後卵子周辺に到達できない運動能力障害や精子の寿命が短い(通常、射精後48時間生存)といったケースもあります。
受精障害を発見するには特殊精子精密検査(精子形態検査)や、体外受精を行って受精状況を観察するなどの方法があります。受精障害が発覚しても顕微授精や薬物療法、精子へのレーザー照射などを行うことで5割の確率で受精に成功しています。
主治医も勧めるように体外受精は原因分析にもなるので受けてみるとよいでしょう。時期尚早と思うなら精子精密検査を受けてください。
また、不妊症以前にマスターベーションでは可能な射精が性交ではできない人、またはどちらでも射精できない射精障害も増えています。この場合は根気強くカウンセリングを受けてください。生活習慣まで考えてくれる男性不妊専門医がお勧めです。
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