排卵日が不規則2
Q:
結婚3年、不妊治療歴1年の妻33歳です。多嚢胞性卵巣(PCO)体質のため、排卵が月経10日目だったり25日以上かかったり無排卵など不規則です。そのため週1~2回通院していますが、卵胞の成長がみられないと気が滅入ります。完治する方法はないのでしょうか。
A:
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)はまったく排卵が起こらず、治療は非常に困難です。多毛(男性ホルモン過多)や肥満、糖尿病の人に多く、ステロイドの長期投与や腹腔鏡による手術(多嚢胞へのレーザー照射)を行いますが効果は一時的です。しかし、PCOSのほとんどが軽度で、排卵が起こったり起こらなかったりするPCOSもどきの「PCO体質」が多いです。
PCOも基本的にまめな通院と忍耐が必要です。PCOはインスリンと関係しているため、当院では排卵誘発剤に加え女性ホルモン(ジュリナ)と抗糖尿病薬(ジャヌビア)を投与して排卵誘発剤の効果を高めたり、ジュリナとジャヌビアだけで排卵に至ることもあります。
排卵誘発剤を何度使っても効果がない時は腹腔鏡手術を行いますが、術後、半年~1年以内に妊娠しないと元の状態に戻ります。肝心なのは卵胞の成長で、通常、卵胞は直径10mmを超えると1日1mm成長し、18~20mmに達すると排卵します。PCOの人は1日0.5~0.2mmと成長が遅いですが、成長していれば問題ありません。
途中で成長が止まったり停滞している場合は高い確率で卵子の染色体異常が起こるため、その周期はあきらめリセットします。