年齢と妊娠力
Q:
結婚したばかりの36歳夫婦です。子づくりは早めがいいと助言されることが多く、年齢的に体外受精を勧められることもあり戸惑います。今本当に体外受精が必要なのか、まずは基本的な妊娠の仕組みから教えてください。
A:
妊娠の過程は大きく分けて排卵 – 射精(性交渉) – 受精 – 着床の流れで成立します。
射精された精子が3億として子宮頚管にたどり着けるのは10万、子宮には1万、卵管口・卵管に進入でき卵子に到達できるのはわずか1~10個。しかも卵子・精子には寿命があり、卵子は完熟してから36時間、精子は48~60時間の間に受精が成立しなければならず、寿命は年齢とともに短くなります。
受精成立後は5日~1週間かけて卵管内で胚(受精卵)発達が起こり、「胚盤胞」まで成長してようやく子宮内膜に着床できる状態になります。そして、子宮にたどり着くと胚の中の細胞は外側の殻を破って子宮の壁めがけ飛び出し(ハッチング)着床に至りますが、胚発達の過程で成長が止まったり死滅したり、ハッチングがうまくいかないと着床できません。さらに、子宮内膜が健全な状態でなければなりません。
着床後は妊娠細胞(絨毛)が増加してある一定数になって初めて妊娠が成立します。不妊治療ではこの複雑な過程のどこかに問題がないか、まず不妊検査で一つ一つ細かく確認していきます。35歳以降では妊娠率が低下し流産率が高くなるため、子どもがほしいなら一刻も早い妊娠が望まれます。
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