精子の穴と染色体異常 | 茨城県小美玉市の不妊治療・婦人科 小塙医院

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精子の穴と染色体異常

 

Q:
夫の精子の形を詳細に検査して精子の頭にたくさんの穴があることが分かりました。大きな穴はあまりないと言われましたが、現在、体外受精を受ける予定で妊娠や赤ちゃんへの影響が心配です。

A:
遺伝情報が詰まった精子の頭に開いた穴は「精子頭部空胞」と呼び、世界の進んだ生殖医療機関では空胞が受精と受精卵の発達、着床妊娠、赤ちゃんの異常に直接影響するかどうか医療問題のトピックになっています。

当院では空胞が精子頭部の3分の1以上を占める場合を「大空胞」、それ以下を「中空胞」「小空胞」と区別します。長年、男性不妊治療をしても大空胞の精子しか生産できない20人の患者さんに、妊娠初期の染色体検査を必ず受けることを条件に説明・納得・同意の上で顕微授精を行いました。

妊娠できても胎児に染色体異常が伴う可能性を指摘しましたが、顕微授精か子どもをあきらめるしかない夫婦ばかりでした。結果、3組に妊娠が成立しましたが、すべて流産でした。母親の流産時の子宮内容物を染色体検査したところ1例は正常、2例は染色体異常でした。

海外では全例が染色体異常という報告もあり、大空砲での妊娠は厳しい状況と思います。染色体異常はすべてが出産時に分かるものではなく、20歳、30歳と大人になって白血病や早発ガンを発症することもあります。中空胞、小空胞は今のところ染色体異常との関連は見いだされていません。当院ではRG洗浄法で大空胞精子を必ず除去しますので大空胞での顕微授精を防ぐことができます。

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