自然妊娠の限界
Q:
結婚8年目の妻36歳、夫39歳です。以前、不妊治療を受けていましたが、医師に問題がないと言われ現在はタイミング法で自然妊娠を目指しています。しかし、この4~5年まったく妊娠に至りません。また治療を受けたほうがよいでしょうか。
A:
タイミング法は基礎体温から排卵日の見当をつけて性交し自然妊娠を目指す方法で、統計上、不妊症でなくても結婚4年目から急激に妊娠率が低下します。最も妊娠しやすいのは結婚前と結婚1年以内で、詳細は分かっていません。一般的に、結婚すると生活や経済事情が変わる上に仕事仲間や上司、友人、親戚、両親など、付き合い上のストレスも加味され恋愛時代とは違ってセックスが二の次になりがちです。従って回数が減ったり没頭できなくなり、妊娠率が低下すると思われます。
不妊検査にフーナーテスト(性交後子宮内精子上昇テスト)があります。これは排卵予定日に性交を行い、翌日病院で女性膣内の頚管粘液を採取し顕微鏡で粘液の中の運動精子をカウントする検査で、正常な夫婦のデータを参考に自然妊娠の確率が計算できます。正常な場合だと3~4カ月に1回は妊娠の機会に恵まれ、人によっては2~3年に1回とか自然妊娠不可能という結果もあり、結婚後4年以上で不妊症外来に来院する場合は人工授精や体外受精に進むことが多いです。
そのほとんどが確率は低くとも自然妊娠の可能性を持っている人たちです。しかし、女性は35歳を過ぎると卵巣の老化が早まりますので35歳を過ぎたら早く赤ちゃんをつくることをお勧めします。まずはフーナーテストを受けられるとよいでしょう。